今年の3月に起きた福岡西方沖地震。その際多大な被害を受けた玄界島に行ってきた。現在でも本土側の外周道路までしか入れない状態で、一度更地にして開発するとのこと。確かに島内部の斜面に張り付いた宅地の被害は大きなもので、近づくにも危険な状態だった。

ぼくがここに来たのはとあるプロジェクトのため。福岡のNPO「アートサポートふくおか」が進めるプロジェクトで、被災した人たちをアートを介して元気づけようという主旨のもの。全校生徒30人くらいの玄界小の学習発表会を、プロのアーティストが指導し、今までにない学習発表会を作っていこうとしている。

当初は被災した子供たちを元気づけようという主旨だったが次第に大人たちも含めた支援にシフトしていった。というのも、慣れない環境に順応しやすい子供たちに比べて大人・高齢者の方たちの心労が大きいということに気付いてきたからだという。

現在玄界小は、福岡市内の簀子小学校に間借りしている。なので学校に通う小中生を持つ家族は、本土の仮設住宅に住まなくてはいけない。一方で漁業で生計を立てている家庭がほとんどなので、お父さんは島の仮設住宅に住んでいる、というケースが多いらしい。そんな状況の中で学習発表会が家族や友人たちが集う機会になればいい。震災で対応に追われてきた先生たちにとって、そして離ればなれになってしまった家族にとって、本プロジェクトが果たす役割は大きいように思う。

プロジェクトメンバーは、9名ほど。シンガーソングライター、声楽家、演出家、振り付け師などプロの人たちで構成されている。合唱、演劇、朗読劇、ミュージカル… バラエティに富んだ学習発表会になりそうだ。その中でぼくは、終わった後に配布される記録冊子のディレクション・デザインをすることになっている。現段階でのイメージは、もらってうれしい「想い出アルバム」。大好きな家族の風景が、そこから垣間見えればいいなと考えている。



今回は特別に地元の方に案内してもらい、島中心部まで入ることができた。んで、その案内してくださった方の家(仮設住宅)にまでおじゃますることに。



ほたて、あわび、いか、くじら…。次から次に出てくる料理。。仕事そっちのけ?でもてなしてくださった。おみやげまで頂いて。ありがたい。。



本土に戻って、簀子小学校と近くの仮設住宅へ。こどもたちの様子を見せてもらう。校舎には全国から送られてきた応援メッセージが見受けられた。その中に小国町の万成小学校のものも。大切に掲示されてありました。ご報告。