伝承芝居観劇会

May 15, 2005

Posted by: takita


何をやってるかというと、芝居の稽古です。先週から毎晩です。
杖立には長らく続く伝承芝居というものがあるのです。去年初めて観た時、素人芝居とは思えない質の高さにびっくりしたものです。今年は5/27、28日。去年と違って、観に来てくださいと言いにくい面もあるんですが…。

詳細はここ:杖立温泉・友芸会オフィシャルサイト(音楽が流れるのでご注意を)

まちなか工房

May 14, 2005

Posted by: takita

「まちづくりって何をやっているのか分からない」と、よく言われる。ぼくも5年前、同様の疑問を持って trivia を始めた経緯がある。「まちづくり」と言わずに動きをつくる一方で、「まちづくり」と言わないと動かせない動きがあるのもまた事実。そもそもこういった問題が存在する原因の一つは、「まち」の「つくり手」たる人たちが「『まちづくり』という言葉は理解してもらいやすい」と考えているところにある。でも現実は、「まちづくり」はリアリティに乏しい言葉である。(もちろん、数年前よりはリアリティのある言葉になっている)

語彙を平易にする営みと、語彙に多様な意味が含意される営みは、表裏一体である。思考の糸口は「よりやさしく」とか「よりカジュアルに」とかそういうことではない。作り手にとってやさしいと思える行動が、ユーザーにとってやさしい実感を伴わないケースは多いにある。理解しにくい言葉の価値は確かにあるが、理解してもらいたいという思いの下に語られても、何ら意味はなさない。 加えて語彙の理解度は、対象となる地域やコミュニティによって異なる。大切なのは、対象となるユーザーにとって「よりリアルに」という感覚だと思う。言わずもがな、これはデザインの基本的姿勢である。

昨日、熊本大学が中心商店街に「まちなか工房」を設立した。「まちなか工房」は事業名かと思っていたら、ハコの名前のようで。「まちなか工房」もおそらく「まちづくり」と同様に、言葉が抱えた課題を背負いながら運営していくことになるのではなかろうか。そして「そもそも大学は『まちなか』にあるのに、なぜ『まちなか』に新たに設立されたのか」という点も踏まえて、今後のインターフェースが見極められていくべきなんだろう。その思考がひいては独法化された大学の、つまりユーザーを見据えるべき教育機関のメリットにつながるはずである。とにもかくにも、初年度の交付金は1億2000万円だとか。うらやましいのは、まちがいない。。

(有)小国プロジェクト・食恋酒房「恭華」にて。

組織と人格

May 13, 2005

Posted by: takita


asahi.com: JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ

「特定の人間の行きすぎた行動」って言っちゃえばそれまでだけど、この件について某ワイドショーにて「一部の社員が起こした行動を、マスコミが叩きすぎたことが原因」という(ような)コメントがあって、気になりました。実は「会社という『組織』に対して『人格』を見る(見せる)性質が人間にあること」も原因なんじゃないかって思うのです。むしろ、この視点が今の社会に欠乏していて。

批判・中傷などは、基本的に人(=人格)に向けられる言葉です。でも、「組織」に向けても使われます。例えば、マスコミが言う「責任をとるべきだ」という言葉。主語が人でも組織でも「理解できる」言葉です。「誠意が感じられない」という言葉だってそう。冷静に考えてみれば分かるけど「組織」に「誠意」なんて「心情」があるわけなくて。「JR西日本は、誠意が感じられない」という言葉と「JR西日本の『誰々は』誠意が感じられない」という言葉が、同義に「聞こえてしまう」のです。つまり、組織の制度等の問題と、社員の個々人の問題(と思われている)行動が、「人格」というレベルで同質に感じられてしまうのです。むしろ、マスコミはこのレトリックを積極的に使っていて。気づかないうちに使ってる人もいると思うけど。視聴者の共感を誘おうとした場合、結果として、あたかも「組織」に「人格」があるかのように演出されます。

情報の客観性は、例えば「叩く」「叩かない」の主観性だけに因るものではありません。具体性も深く関与します。情報の流通は、抽象化のプロセスを辿ります。情報の消費者側も同様。「組織」と「人格」との関係からなる歪みは、情報化社会で顕著に見られる現象ではないでしょうか。

実は、「組織」だけでなく「空間」にも言えることなんだけど。そのことについては、後日にでも。写真はワイドーショーを見ながら食った雑炊。

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お知らせを頂いたので転載。中ザワさんに久しぶりに会いたいな。。けど行けないな。。

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中ザワヒデキ展「芸術特許」

ギャラリーセラー (名古屋)
2005年5月7日(土)-28日(土)

[関連イベント]
中ザワヒデキによる「芸術特許」説明会
* ゲスト: 都築 潤 (イラストレーター)
5月21日(土) 午後4時〜 ギャラリーセラー
入場無料 定員50名 (予約受付中)
詳細情報:
http://aloalo.co.jp/nakazawa/200505cellar/200505tokkyo_j.html

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中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG

ギャラリーセラー (名古屋)
2005年5月7日(土)-28日(土)

[関連イベント]
中ザワヒデキの "展開" トーク
* 聞き手: 神山 亮子 (府中市美術館学芸員)
5月14日(土)16時〜 ギャラリーセラー
入場料500円 (1ドリンク) 定員50名 (予約受付中)
詳細情報:
http://aloalo.co.jp/nakazawa/200505cellar/200505bakacg_j.html
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