asahi.com: JR西乗務員へ嫌がらせ120件 脱線事故後に相次ぐ

「特定の人間の行きすぎた行動」って言っちゃえばそれまでだけど、この件について某ワイドショーにて「一部の社員が起こした行動を、マスコミが叩きすぎたことが原因」という(ような)コメントがあって、気になりました。実は「会社という『組織』に対して『人格』を見る(見せる)性質が人間にあること」も原因なんじゃないかって思うのです。むしろ、この視点が今の社会に欠乏していて。

批判・中傷などは、基本的に人(=人格)に向けられる言葉です。でも、「組織」に向けても使われます。例えば、マスコミが言う「責任をとるべきだ」という言葉。主語が人でも組織でも「理解できる」言葉です。「誠意が感じられない」という言葉だってそう。冷静に考えてみれば分かるけど「組織」に「誠意」なんて「心情」があるわけなくて。「JR西日本は、誠意が感じられない」という言葉と「JR西日本の『誰々は』誠意が感じられない」という言葉が、同義に「聞こえてしまう」のです。つまり、組織の制度等の問題と、社員の個々人の問題(と思われている)行動が、「人格」というレベルで同質に感じられてしまうのです。むしろ、マスコミはこのレトリックを積極的に使っていて。気づかないうちに使ってる人もいると思うけど。視聴者の共感を誘おうとした場合、結果として、あたかも「組織」に「人格」があるかのように演出されます。

情報の客観性は、例えば「叩く」「叩かない」の主観性だけに因るものではありません。具体性も深く関与します。情報の流通は、抽象化のプロセスを辿ります。情報の消費者側も同様。「組織」と「人格」との関係からなる歪みは、情報化社会で顕著に見られる現象ではないでしょうか。

実は、「組織」だけでなく「空間」にも言えることなんだけど。そのことについては、後日にでも。写真はワイドーショーを見ながら食った雑炊。

+

お知らせを頂いたので転載。中ザワさんに久しぶりに会いたいな。。けど行けないな。。

-----
中ザワヒデキ展「芸術特許」

ギャラリーセラー (名古屋)
2005年5月7日(土)-28日(土)

[関連イベント]
中ザワヒデキによる「芸術特許」説明会
* ゲスト: 都築 潤 (イラストレーター)
5月21日(土) 午後4時〜 ギャラリーセラー
入場無料 定員50名 (予約受付中)
詳細情報:
http://aloalo.co.jp/nakazawa/200505cellar/200505tokkyo_j.html

-----
中ザワヒデキの展開展: 1990年から96年までのバカCG

ギャラリーセラー (名古屋)
2005年5月7日(土)-28日(土)

[関連イベント]
中ザワヒデキの "展開" トーク
* 聞き手: 神山 亮子 (府中市美術館学芸員)
5月14日(土)16時〜 ギャラリーセラー
入場料500円 (1ドリンク) 定員50名 (予約受付中)
詳細情報:
http://aloalo.co.jp/nakazawa/200505cellar/200505bakacg_j.html
-----